息を引き取る直前、
は齢12歳で悟った。
「怠惰が私を殺した」と。
自身の血で作った血の海に沈みながら、少女に似つかわしくない嘲笑を浮かべて。
突出した物もない、自給自足での生活にこれと言った不満もない平凡な村では生まれ育った。
戦争被害者の集まった小さなそこはいわゆる集落みたいなもので、
「抜け忍」とか「孤児」とかそう言った人種が無差別に入り混じった群れの中では生活していた。
忍者の血を引いているせいで忍術や幻術の才を垣間見せるも、それをは引き伸ばそうとは微塵も考えなかった。
その日を生きる事が最優先なこの集落で、忍者になるよりも農作を学んだ方が効率的だと思っていたから。
日々を食い繋ぐのに必要なのはどうやって腹を満たすのか、それこそが最優先だったから。
自称抜け忍の兄貴分が言うには、の中には結構な「チャクラ」とやらが秘められているらしい。
しかしそんな付加価値を付けられたからと言っての意見は変わらず、
「だから何」
一蹴である。
力とか知恵とか、人一倍の才を持っている事を諭されてもは無関心。
それがある事など当然とし、幼いながらに傲慢だった。
だからは『殺される直前まで』全く気が付かなかったのだ。
その傲慢と何より、何もせずにいた自身の怠惰こそが「無力な己」を殺したのだと。
考えれば分かるはずだったのに。
「抜け忍狩り」なんてものに巻き込まれるくらい。
「忍者の血」がどれほど危険で野放しにしてはいけないものであるかを。
無駄にチャクラとやらを抱え込む自分が、悪足掻きで力を暴走させてしまったせいで格好の標的になるくらい―――。
だから、は『死んでから』決心した。
「無駄に・・・死ぬものか」
血泡を吹きながら、
喉に詰まるそれに不快感を感じる以前にの全てを満たしたのは後悔と己への怒り。
「無駄に、死んでなるもの・かっ・・!!」
痛みなどとうに過ぎた。
流し過ぎた血が頭に上ることもほとんどないというのに、は本能のまま咆哮した。
わたしは、 この死を
絶対に、
無駄になど・・するものかっ!!!
―――――――――。
―――――――。
―――――、
―――。
あーうぅ。
「あ、見てほら笑った」
「エンジェルスマイルってやつだね」
「あら素敵。あなたロマンチストだったかしら」
うーう?
「その通りさ。このこの笑みはね所謂反射運動で実際は笑ってるわけじゃ無いんだけいひゃひゃひゃ!」
「これ以上ロマン看破実行したらその頬っぺた引き千切るから、ね?」
「はひ、参謀」
きゃっきゃ!
あーうぃ!
強かで、でも無条件に愛情を与えてくれる。
その笑顔がとてもとても愛しくて、わたしは前世の記憶に従うことを決めた。
この人たちの為にわたしは力を求めようと。
(あら、ちゃんご機嫌ねー)
((まずはハイハイを覚えないと。寝っ転がってちゃ何もできやしない))
(可愛い!何この子コロコロしてっ!)
(だぁーうぅ!)
(あでっ!?)
(怒ってるわよ?女の子にコロコロなんて、デリカシーがないわね)
((父なんか守ってやんない!!))
(一応)NARUTO世界からの転生夢です。
ただし転生したという事実のみで、NARUTOのキャラが出てくるわけではない、予定・・・。
原作知識はほとんどないので、「ああ、生まれ変わったの」という程度です。
才能あるのに、めんどくて何もしなかったら通行人A並みにあっさり殺されてしまった子ですorz
前世の記憶持ちで「二度と、んな死に方するか!」がモットーです。
予定ではそのままスクスクと女王様属性に仕上がって行く筈(-_-;)