歪みが堕とした御伽噺
全てを破壊するよマイラバー

Question, もしも女主が10年後の姿(美少女)に変身☆したら?※
Answer, 中身変わらず&見た目と滑舌が良くなる・・・だけで済めば良いのに・・・

私が人間に紛れて暮らそうと、物質界(アッシャー)をウン百年と満喫していようとその性質は変わらないわけでして・・・・。

将来が(私的に)いろんな意味で楽しみな幼女を養子に迎え入れたとして、世間の目?なのそれおいしいんですか?と言った心境である。
私これでも忍耐は強い質ですので、何年だって待つ自信はあるんです。
私の目測で言うならば、後10余年くらいは余裕で待てます。

何を待つって?決まってます!
が私を籠絡してくれるかどうかです!

容姿もさることながら、その頭脳と特殊な魂の歪さのアンバランスはもう、生唾を飲み込むようなうれしい発見だったんです!
はい?外道?ロリコン?ふふん、なんとでもお言いなさい!
私は私の好きにします!は私の手中にあるのですから!

「と言うわけですので、!早速この怪しげな液体を飲み干しなさい!」
「イヤです変質者」

今日も今日とて自身の愛玩する幼女を(彼流に)可愛がるメフィスト・フェレス(身も心も悪魔)は、冒頭の悪役然とした回想から早速凶行に乗り出した。
白いピエロと王子様を足して二で割った、相変わらずの奇特なセンスで正装に身を包んだ姿。
泣く子もその変質的な姿で泣き忘れそうな格好をするメフィストには、なんと養女がいる。

「なにが「と言うわけ」になるのか知らないですけど・・・あやしい人から食べ物はもらいません」
「違います。これは飲み物です」
「あげあし取らないでください悪魔」
「褒め言葉ですねマイラブ」

しかも無駄に口の達者な幼女である。
かく言うメフィストはそれを軽く上回る。
手のひらで数えられる年齢のが、こうして毒舌で切り返してくれるのをメフィストは大いに喜んでは変化球で言い返し、そしてぎゅうぎゅうと抱きしめるのが二人の挨拶のようになっていた。

「仕事から帰ってきて早々、なんでそんなあやしい薬をのませようとする」
「当・然!それを飲んだ後の反応を見たいからに決まってるじゃないですか」
「自分で「あやしい」って言ってからすすめるの、おかしくないですか?」
「だってパッションピンクの飲み薬なんて誰が見ても怪しいですし!」

私だって躊躇します!
メフィストは偉そうに胸を張った。
そこは偉そうにするところではなくて、お子様の手の届かない所に保管するか、入手したところへクーリングオフすべきである。
それをしないのは、ひとえにメフィストがその怪しげな効能をもっているであろう薬をに飲ませたい。ただそれだけだ。
ソファにぴたりと隣り合うように座り、ずずいと眼前に掲げられた薬瓶を見て、は益々眉を寄せた。

「きょひします」
「拒否することを拒否します」

メフィストはまさか自分の養女を毒殺にでもしようというのか。
たしかに見た目年齢と精神年齢に大きな格差はあれど、体はまだまだ発展途上な幼い女児。
お酒を飲めば成長に弊害をもたらすような普通の体である。
養われているという自覚があるがこれを拒否したところで、大きく言い返せないのを分かっていての強要であるのか。
「飲まないと追い出すぞ」と脅迫されればは飲まないわけにはいかない。喩えそれが毒薬だったとしても、追い出されてしまっては結局結果は同じである。まさにデッドオアデッド(低確率で生存)である。

「安心して下さい!これは体に変調を来すだけの、副作用は全くないすばらしい薬ですから!」
「・・・今ので安心がふきとびました」
「大丈夫です死にませんし、痛くもないですよ。にがいだけです」
「こんきょのない大丈夫なんていりません。どぶに捨てて下さいその薬」
「飲んで下さいよ〜でないと後悔しますよ」
「メフィーがですよね」
「当然です」

再び胸を張る悪魔は全く引く様子がない。
押して押して押して押し倒す勢いで引く気配がない。
とうとうはメフィストの差し出す薬瓶を手中に押しつけられてしまった。

「口移しでも良いですよ。大歓迎です」
「そのまま飲み込んで下さい。だいかんげいです」
「ふふふっ・・・相変わらずのツンツンさんですね!」

ご託を並べるメフィストにとうとう辟易したは両手の中にある小瓶を一瞥。すぐに視線を明後日にそらした。
何故か小さな水泡がぷくぷくと音を立てては爆ぜていた。
炭酸飲料のような水泡ならばともかく、液体自体にとろみがあるのか、それはマグマのようにぽこぽこと音を立てている。
少し揺らしてみる。やはりとろとろだ。
薬の濃厚さを見た気がしてのいつも低いテンションは軽く底辺を突き抜ける勢いで駄々下がりになる。

「さあさ!」
「・・・・、・・・」

意を決しては口元から薬瓶を傾けた。
幼子にしてはかなりの勇気と気力と決心である。普通なら躊躇するところを、彼女はぐいぐいとピンク色の液体をのどに流し込んだ。
風呂上がりの牛乳を飲み干すような勢いで。

「・・・無駄に潔いところ、惚れます」

頬を染めながらメフィストが傍らで何か言っているが、気にしてられない。
の口の中はどろりとした苦みで満杯だ。調剤薬局でもこんなしつこい処方箋は出してくれないだろうしつこさだ。顔色も蒼くなると言うもの。
喩えるならば、メフィストの日頃に注がれるねっとり視線と納豆と軟体生物を足したようなしつこさだろうか。
とにかく気持ち悪いのと苦いので戻しそうになるのを、幼い体は何とか耐え抜いてそれを飲み干した。

「・・・・・・・・・・・・・ふ・・はあぁー・・・うう」
「いやあ、苦しみながら一生懸命こんなもの飲むなんてさすがですね!さすが我が子。いろんな意味でどきどきしました」
「・・・・・・」
「いらっしゃい抱っこしてあげますよ」
「うん・・・」

常に毒舌ばかりをはき出すは今や満身創痍と言った風である。
大人しくメフィストの膝に抱かれると言うよりも、全身脱力してお人形さん状態である。
頭に労りのキスを落とされてももはやされるがまま。思う存分メフィストの好き放題にさせるしか気力回復は望めそうにもない。それだけ飲んだ薬とメフィストの見えない思惑に苦しまされたということであろう。

「即効性ですので後30分ですね。その間に着替えてしまいましょう」
「・・・え?」

うつろな目で疑問符を浮かべるの目の前で、ポンと音を立てて一つの箱が出現した。
メフィストの魔法で現した箱の長さは1メートルくらいの長方形。宙でぱかりとそれは開かれ、中から滑り出たのは一着のドレスである。
純白で首掛けのイブニングドレスはスパンコールが施されキラキラと輝いて見える。

「・・・だれのですか?」
「ふふん!誰のだと思います?」

しかしに見せびらかせる為なのかと思われるそのサイズはどう見ても大人用。
プレゼントの相手はまさか、メフィストのいるかも分からない恋人なのだろうか。
思わせぶりな態度の悪魔を見、は机の上の空になった薬瓶を見下ろし、自分の体躯を見下ろしてから再びドレスをみた。
・・・・・自分が着ても普通に引きずるサイズだ。サイズなのだが・・・。

「・・・・・まさか、さっきの薬」
「貴女が着るんですよ。これから体が大きくなるんですからね!」
「・・・・・・・・・」

勘の良いはあっさりと見抜いたが、とうとう非現実なことにもなれてしまった自分の脳に呆れれば良いのか分からない。
何も言えなくなったはせめてもの当てつけにと、自らの着ている洋服を脱ぎ散らかすような荒れた所作でぶかぶかのドレスを着ることにした。
たとえこれで渋ったとしても、薬を飲んでしまった後ではもはや時間の問題。何もしなくても体が成長してしまうのであれば、今着ている洋服のままでは大変なことになってしまう。
もちろんメフィストは嬉々として着付けの手伝いを申し出た。


そして(メフィストが待ちに待った)30分後。
あれだけすさまじい後味最悪な薬を飲んだというのに、の体は成長を早送りにしたような早さでむくむくと大きくなっていった。
否、成長を遂げたのだ。

「・・・・お、おおっ!?」
「・・床が遠い」

感嘆のため息を零したメフィストと簡易な感想を漏らす
両者はそれなりに驚いているようだが、メフィストのそれはかなりのものだった。
ワキワキさせた手を見たが、無意識に距離を取ってしまうくらいには彼の感動は大きかった。

「こ、これがの10年後の姿っ!!」
「・・10年後・・・?」
「く、私としたことが、学園の制服も捨てがたかったっ。鏡を見なさい!ほらほら!」

不穏なことを口走りながら、メフィストはパチンと指を鳴らし、の眼前に姿見を出現させた。
そこにいるのはドレス姿の美少女。
亜麻色の髪、ざくろの瞳、すらりと伸びた白い腕、それまで引きずっていたドレスの裾は程よく床を擦り、純白のヴェールでも被ればウェディングドレスのようだ。

「これ、わたし?」
「もちろんです」

傍らで跪いたメフィストが紳士然としたまじめな表情で胸に手を当て、の手の甲にキスをした。
子供の時の姿(10年後も一応子供として分類されるが)にはされなかった態度で接せられたは目を丸くさせて、己の養い親をまじまじと見る。

「思わず胸が高鳴ってしまいました・・・10年後なんてあっという間に貴女をこれほどまで美しくしてしまうのですね」
「メフィー・・・」
「ああ、さらに10年経過するとなればこれ以上の色香と美貌を身に纏うのですね・・・寂しいようでいてこの甘い胸のうずき・・・、どうしてくれるんですか」
「メフィー・・それは―――」

純白のドレスに包まれたとその側で跪く白い悪魔の何とも廃退的な光景は、一種の芸術のようにも見えた。
それまで驚きばかりだったは豹変した態度のメフィストにどう反応して良いのか呆然としていたが、しばらくすると落ち着いてきた純白の小鳥はさえずるように口を開いた。

「―――それは鼻血を垂らして言う物じゃないと思います」
「・・・・・・おや」
「ほらメフィー」

ハンカチも手元になかったので、は仕方なく自分の指先で彼の鼻の下をぬぐってやった。
抵抗がないのはこの男が目の前で鼻血を出すことがもはや日常と化してしまっているからだろう。
手を血(鼻血)で染めたその様を見たメフィストが、何故かさらに興奮してクラリと貧血を起こした。
成長しても華奢なの手を取り、キスし頬ずりし。恍惚としたメフィストはもはやエンジン全開だ。

「ああ、ああああ!静まりなさい欲望!誰か救急車を呼んで下さい!恋の救急車!ああでも貴女の肉奴隷なら喜んでなりたい!一言言って下さい「メフィー私を好きにして」とっ!!」
「・・・いや」
「あああああっ!!イイッ!!」

一体何が良いのかわかないはすでに引け腰だ。
逃げたくてしょうがない。
ただ分かるのは、鼻血を吹き出しながら身もだえる養父が、いかがわしい物体に変貌したと言うことくらいだ。誰か助けて。指名するなら藤本神父。この悪魔の煩悩祓って下さい。

「・・・・・お願いメフィー。何でもするから欲望沈めて・・」
「な、なんでも・・!?ごふっ」
「あ、(吐血・・・)」

鼻からも口からも流血した悪魔はHPぎりぎりの虫の息だ。
「何でも」ワードに一体何を想像したのかは彼しか分からないが、ろくでもないことであることはでも分かる。
室内はもはや(メフィストの血で)大惨事だ。
こんな場面学園や正十字騎士團の関係者が来たらどんなことになるか・・・。


「おーいメフィスト仕事の件なんだが―――」
「理事長、こちらの書類にサインを―――」

タイミングの悪さというのはこういうときに発揮されるというのか・・・。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
はあはあ・・」
「メフィー・・・もういろいろと終わりです」

・・・・・・・・当分理事長と日本支部長の信任決議が起こるようです。



(メフィスト・・・お前こんないたいけな美少女連れ込んで・・・)
(理事長・・・この惨状は一体なにが起こったのですか・・?)

(メフィーが一人で興奮して鼻血&吐血しました)
(ちょ、さん!?)

メフィ大破壊行為申し訳ありません・・・orz
跡形もなく・・・と言うわけではないと思いますが(私的に)かろうじて悪魔の片鱗は残していれば良いなあとおもっています。
ここまで不快感を抱かない人ってどんな神様ですか!?
とにかく謝ります。メフィストファンの人ごめんなさい。